2013 June

Paris

 
 
6月のパリは陽も長くて一年で最も美しく爽やかな季節。カフェやビストロのテラスも長い夜を楽しむ人々でいっぱい。22時を過ぎても美しい紺色の空はどこかまだほのかに明るく、サンジェルマン・デ・プレ教会もことさらに美しい。

 

Paris

 
 
車の名義の書き換えで警察へ。炎天下の警視庁、長蛇の列はいつものことだけれど。フランス語は話せるけれど書くことが出来ない、でも母国での免許は「大型」・・・と言う様な人が大勢いるのでその列が進むはずもなく・・・。旧宗主国からの外国人を多く受け入れているフランスは係官も慣れたもので、ぶっきらぼうながらなかなか面倒見が良くて感動する!私は一応「お世話のかからないジャポネね」と、書類も完璧で車検証の発行もスムーズ。待つ時間の方が遥かに長い・・・。早速ガレージに行くナンバープレートを付け換えてもらう。待っている間担当者との会話は既に「MOMI、ヴァカンスはどこへ?」会社の名義だった車も私個人の名義になって、何だか新車のようで嬉しい。

 

Paris

 
 
 
ブティックの物件の事で公証人の事務所に行く。公証人という職業は日本には存在するのだろうか?フ ランスでは不動産の名義変更や売買には必ずこの公証人が間に入って事が進む。サンジェルマン・デ・プレもかつては「左岸」らしく小さな凝ったブティックが 多かったけれど、昨今はメガ資本の4つ星ホテルのような「右岸」的な出来事も多く、公証人の事務所もまるでブランドのショウルームのよう・・・。

 

Paris

 
 
 
年に数回、建物の住人(アパルトマンの所有者)の組合=サンディカ の会議がある。ヴァカンス前の6月は定例の例会で、建物まつわるさまざまな問題を話し合う、とかくといかにもロジックな会合のように思われるけれど、実際 はとてもそんな雰囲気ではない・・・長老とも思われる建物の大部分を曾オジイサマの代、いやもっと前?から相続して来たG氏を筆頭に、皆さん喋る喋る、がなるがなる!インターフォンの音の種類や、郵便受けの色など議題もなかなかパリらしいけれど、まるで「一生の一大事」のごとくトウトウと意見を述べる。誰も最後まで人の話を聞かない。最後に「マダム、どう思う?」と私の番に・・・。

 

Paris

 
 
 
6月も半ばを過ぎると恒例の道路工事が始まる。サンジェルマン大通りは4車線の巨大な一方通行の道 路だけれど、そのほぼ半分を占める工事。ヴァカンス前で皆本当に忙しく、誰もが「ヴァカンス前に終えないと9月になっちゃう・・・」と気が急くこの時期 に!延々に動かない渋滞というより停滞。窓を開けて隣の車とお喋りするのももはやお楽しみ?ここでも話題は「ヴァカンスはどこへ?」・・・。こんな渋滞で はヴァカンスには行かれません!

 

Paris

   
 
 
ヴァカンスの前にドクターの友人にご挨拶に伺う。歴史的建造物の中にあるドクターのキャビネ、中庭で素敵なカクテルをなさる事もある。既にヴァカンスを思わせる中庭、ロゼでも飲んでいかない?午後の診療は大丈夫かしら??

 

Paris

 
 
ヴェルサイユに住む友人宅に伺う。さすがにル・ノートルの庭で有名なヴェルサイユ、市庁舎のお庭も美しく整えられている。今年はル・ノートル生誕300周年の記念の年でさまざまイヴェントが催されている

 

Paris

 
 
 
ヴェルサイユの蚤の市はやはり他の街より何となく華やか。カトラリーやゴブレットなど欲しいものもいろいろ見つかる。家具はもちろん暖炉などもあって面白い。お屋敷ごと手放した方などのストーリーもブロカント(ガラクタ市)とは一味違いそう・・・。

 

Paris

 
 
友人宅のお庭は小さくても丁寧にデザインされていてとても素敵。さくらんぼやスグリの実がなっていたり、ハーブだけのコーナーがあったり。大きな古い木を切った切り株をテーブルにしているのも楽しい。ピーターラビットに出てくる「リスのナトキンのテーブル」を思い出す。

 

Paris

 
 
昔住んでいたアパルトマンのオーナーのお嬢様のお宅に伺う。引っ越して以来もう10年以上訪れたこ とのなかった懐かしいパッサージュ。日本の雑誌取材もココを借りて撮影したことや、写真家の先生にお泊り頂いたホテル、ビストロやカフェの思い出も数知れ ず。何だかタイムスリップしたような気分。サンジェルマンとは違う、古きよき下町がココにはまだしっかりと、そして生き生きと現存していることを確認して 何だかほっとする。それにしても美しいパッサージュ・・・。

 

Paris

 
 
昔住んでいたところを訪ねるというのはなかなか不思議な気分。私のキャリアの一番大切な時期を過ご したこのアトリエ、扉の前に立つと何だかじーんとする。アーティストばかりが住んで居たこのアパルトマン、中庭でよくヴェルニッサージュやパーティーが あって何だか映画のようだった。まだ若かった私には素晴らしい環境で、既にブティックはオープンしていたのでサンジェルマンに引っ越す事は嬉しかったけれ ど、ココを離れるのはとても悲しかった。美しい螺旋階段を登って見る・・・。

 

Paris

 
 
diary index このアパルトマンに住んで居た頃から、オーナーご一家とはとても親しくさせて頂いていた。ご子息が 私のスグ上にお住まいで、お嬢様は別棟の広いアトリエ風のアパルトマンにお住まいでよくお食事によんで頂いた。弟さんはまだ高校生だったはず・・・。今や 立派なコメディの俳優として舞台に立っているそうで、時の経つのは本当に早い。思い出話は尽きる事なく、延々にお喋りしていられそうね・・・。 page top

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